ふく処 快 -kai-特集

徳山駅のみなと口へ歩くこと約10分。
潮風感じる海沿いにひっそりと、
しかし、港にしては異色な店構え。

対岸のきらびやかな工場夜景を背に、
はやる気持ちを抑えつつ入店した。

「徳山ふくセンター株式会社」直営、
ふく料理専門店「ふく処 快 -kai-」
店内は、柔らかい照明が足元を照らすモダンな雰囲気。昼間は暖かい日差しが店内に降り注ぐが、夜は一変、品の良い宴が楽しめる空間に変貌する。
掘りごたつ、座敷、テーブルの各種の部屋を簾や格子扉で仕切っているので、個室感覚でゆったり過ごすことができる。

山口では河豚を福(ふく)に因んで濁らず「ふく」と呼ぶ。今回の記事でも「ふく」と例に漏れず紹介していきたい。

大皿に盛り付けられた「ふく刺し」
透き通るふくの美しさを目で愉しみ、
薄い花弁のような刺身を、複数枚掬う。
添えてあるポン酢、紅葉おろし、寸ネギは風味を豊かにし、噛むほどに深みが増していく。

また、白子ファンが唸る「ふくの白子焼き」
白子は朴葉の上で破裂しないよう遠火でゆっくりじっくり焼き上げる。食べる直前にレモンを絞れば白子に移った朴葉の香りでコクの輪郭が際立ち、濃厚でクリーミーな白子を堪能できる。

そして、快オリジナルの「ふくの炭火焼き」
醤油麹、塩麹、味噌の3種類の特製タレで漬け込んだふくを七輪の炭火で焼く。ふくは刺身や鍋、唐揚げなどは食べたことがあるが、ふくの炭火焼きは初めてだ。
透き通ったふくは火が通ると段々と白濁し、ふっくらと焼き上がる。
炭火ならではの香ばしさ、ふくの締まった白身は相性抜群でリピートしたくなる逸品だ。

山口地酒を多数取り揃えられており、地酒ファンは大いに楽しめる。
ただ、ぜひ酒好きに楽しんでもらいたいのは「ひれ酒」だ。
こんがり焼いたふくのひれを、熱々の日本酒に投入。蓋を取る瞬間にマッチで火を近づけると、ポッと音を立てて青白い炎が上がる。このアルコールを飛ばす作業が、ひれ酒の醍醐味だ。

ひれ酒は燻製のような薫りが日本酒から漂い、ふくの出汁が滲み出るため、グッと深みが増す。
上に燻製の薫り
中に日本酒の旨み
下に出汁の深み
と、日本酒のテクスチャがまるで変わってしまう、不思議。先人の知恵にただただ感服する。

快は、2営業日前までの完全予約制。
これから送別会・歓迎会シーズンに入るので、是非早めのご予約を。
オンラインショップでの販売も行っているので、快の美味しいふく料理を全国の皆さんにご賞味いただきたい。

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「周南市の「美味しい」を全国に届けたい」

ふく処 快 -kai- 渡邊規夫

ふく処 快 -kai-
山口県周南市徳山港町8475-5
お問合せ先
TEL:0834-32-3625
FAX:0834-34-5529

徳山ふくセンター株式会社
山口県周南市築港町7-13
お問合せ先
TEL:0834-22-3000
FAX:0934-22-3030