神田味噌醤油醸造場特集

JR柳井駅から市街地を抜け
海岸通りに車を走らせること約10分。
海と交わるような晴天と、
心地良い潮風吹く伊保庄(いほのしょう)に、
大きな栗色の門戸が特徴的な神田味噌醤油醸造場はある。

1927年(昭和2年)の創業。
この土地の冷たくきれいな湧き水とともに、
神田味噌醤油醸造場の味噌は昔ながらの味を継承してきた。
屋内に一歩足を踏み入れると、漂う麦麹独特のあまい香り。
全国各地で愛されている“ふるさとの味”に
好奇心を駆り立てられる。

味噌の原料には地域性があり、
山口・愛媛・九州が麦味噌、広島以北は米味噌が一般的だという。
神田味噌の麦味噌は3日かけての仕込みから、2〜3ヶ月を経て完成する。

1日目は麦を蒸し、麹菌をつけながら、1日寝かす。
2日目は菌をつけた麦を
2階層の建物の2階から1階に落とし、
麹菌を纏わせながら、温度を冷ましていく。
3日目は蒸した大豆、麹のついた麦を機械で
回転させながら混ぜ合わせる。

1回の工程で約4トン分を作り、
それらをタンクで2〜3ヶ月熟成させる。

約4トン分と聞くと、
機械ありきの作業のようだが、
タンクから味噌を出す時期は、感覚や経験で見極める、
さらに冬は塩水を混ぜて味噌の粘度を維持するというから驚きだ。
この物作りのセンスも95年を超える伝統が生みなすものと言えるだろう。

「大豆が美味しいと味噌も美味しい」と神田社長は目を細める。
大豆の味によって味噌の出来は異なるらしい。
様々な大豆を試した結果、神田社長が厳選した大豆を使用しているという。
このこだわりが神田味噌の愛され続ける甘く豊かな味わいを醸す。

精選された原料、昔ながらの製法、精密丁寧な梱包、
そして老舗として受け継がれていく情熱なしに、“ふるさとの味”は存在し得ないのだと感じた。

目まぐるしく変わりゆく時世に、もし故郷を離れても、変わらずあたためてくれるものがある。
晩の味噌汁をいつもより楽しみに感じながら帰路についた。

「あなたのおもしろいを教えてください」

「筋トレ!
信条は今を大切に
全てが味噌のためになると信じて何事にも挑戦してます」

神田味噌醤油醸造場
専務 神田浩太朗

神田味噌醤油醸造場
山口県柳井市伊保庄3502-2
お問合せ先
TEL:0820-22-8130
FAX:0820-22-8107